生まれて初めて、日本以外の人のウェディングパーティー(チャイニーズ式)に出席する私たち。
TPOも何もかも分からないので、ネットでもいろいろ調べた。
まずドレスコードは? 黒は葬式を連想するとかでNG。ふむふむ。
日本でよく着ている黒礼服に白ネクタイじゃだめなのね。
赤も花嫁の色だから避けなければならないとか。
私はパーティーにたえうる服といえば黒系しか持っていない。
トップスだけでも何か別の色のものを、と思って連日店をめぐり、ブルー系のものを購入。スカートは自前のモノトーンのロングスカートで済ませることにする。
おっとは一番いい紺のスーツで、普通のネクタイ。
ご祝儀にお金を渡すのは同じ。
紅包(アンパオ)という赤い包みに入れて渡すのである。
平日だったので、夜の7時半に開始、と招待状にはあった。
が、こちらのパーティーというものが定刻に始まることはありえないのだそうである。
7時半開始予定で、9時に始まることもあるのだそうな。
いくらなんでもねぇ・・・と思いながら、15分ほど遅らせて会場に入る。
会場は、ホテルの中国料理レストラン。
入り口で新郎本人が立って挨拶している。
おっとがアンパオを渡して挨拶。
私も「こんぐらちゅれーしょん」などといいながら握手。
受付で寄せ書きらしきものに書き込みし、新郎の妹さんに席に案内される。
席についてぐるりと見渡してみると、200人以上招待されているらしい。
驚いたのは服装だ。
もちろんドレスアップしている人もいるにはいるけど、普段着の人が多い。
ジーパンの女性までいた!
別に黒いの着ててもだれも気にしなかったんでは…。
というか、それなりにパーティー仕様の服を着てきた自分が、ちょっと気恥ずかしく思えた。あ~、思い切ってチャイナドレスなんて買わんで、ほんっとーに良かった・・・。
私たちの席は日本人の人たちが集まっていたので、会話は心配なかった。
飲み物はもらえるので、お茶を注文し、座って会が始まるのをじっと待つ。
やはり、30分経っても始まらない。
ピーナッツなどで飢えをしのぐ。
「おなかすきますよね~」「集まった人だけで始められないんですかねー」などと話しながら、40分、50分・・・いらいらしているのは日本人だけで、中国系の人々は別に、なんとも思ってないらしい。
一時間経って8時半ごろ、ようやく、開会の辞らしきアナウンスが聞こえてきた。
このしおり、招待状に同封されていたもの。なんと書いてあると思います?
“On our special day, thank you for arriving on time.”
(私らの特別な日に時間通り来てくれてありがと~)、
裏面には、
“Punctuality is the politeness of kings. -Louis XⅧ”
(時間厳守は王の礼節だ。-ルイ18世)
披露宴の招待状でこんなことわざわざ言われたら、日本人の感覚なら
「余計なお世話じゃ!」といいたくなるのだが。
そして、それでもなおかつ1時間遅れになるって、いったい・・・・なぞは深まるばかりである。
(つづく)